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芳野 隆治; 中村 幸治; 閨谷 譲
Nuclear Fusion, 37(8), p.1161 - 1166, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:30.8(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、プラズマ電流消滅時に発生する垂直移動現象(Vertical Displacement Event,VDE)は、垂直位置の実時間モニタの精度劣化に起因することを突き止めている。そこで、モニタ精度を向上させた結果、世界で初めて、プラズマ電流消滅時の垂直位置制御を実現し、VDEを回避することに成功した。この時、さらに、プラズマと真空容器第一壁との相互作用を回避する(又は、ダイバータプラズマ配位を維持する)には、X点の高さを維持することが必要と判明したため、プラズマ電流に対するダイバータコイル電流の比率を一定に制御した。以上により、トカマク型核融合炉にて危惧されているディスラプション中のVDEとプラズマと壁の相互作用は、適切な平衡配位制御を行えば回避できることを実証した。
芳野 隆治; 中村 幸治; 閨谷 譲
Nuclear Fusion, 36(3), p.295 - 307, 1996/00
被引用回数:35 パーセンタイル:72.57(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでのディスラプションにおいて、プラズマ電流の消滅速度が遅いときに、プラズマ電流の急速な停止現象が発生する。このとき、同時に、プラズマの垂直方向への移動現象(VDE)が起きるときは、ハロー電流が励起され、真空容器や真空容器内構造物に対して発生する電磁力が増大し、装置の健全性を大きく損なう。これは、トカマク型核融合炉の設計において克服すべき大きな課題となっている。これに対して、VDEの成長率が、初期の垂直位置に依存し、成長率が最小(ゼロ)となる中性点が、真空容器の水平面より15cm上に存在することを実験的に明らかにした。以上の結果より、(1)プラズマ電流消滅開始時の垂直位置の調整と(2)垂直位置の積極的な制御によりVDEを回避した。さらに、ネオン・アイス・ペレット(不純物ペレット)を入射し、プラズマを急速に消滅させれば、VDEを回避できることを実証した。
木村 豊秋; 川俣 陽一; 秋葉 賢一*
Fusion Technology 1994, 0, p.691 - 694, 1995/00
JT-60やITER等では、その炉心プラズマの性能向上や装置保護のため、従来にも増して精度良いプラズマ位置・形状制御が必要である。これらのためには、プラズマ断面位置・形状の精度良い固定や多変数非干渉制御などの複雑な演算を高速で処理できるシステムの開発が不可欠である。このようなシステムの実現には、複数のマイクロコンピュータの並列化による処理の高速化が有力な手段である。本発表では、JT-60のプラズマ制御に適用するため、高速のディジタル信号処理装置(DSP)を応用した並列処理制御システムの概念設計について報告する。本DSPは、6本の通信ポートによりマルチプロセッサ・システムが構成可能である。制御処理の並列度や許容遅れ時間を考慮したDSPの最適個数の評価、試験装置による性能評価について言及する。
西尾 敏; 杉原 正芳; 下村 安夫
Fusion Engineering and Design, 23, p.17 - 31, 1993/00
被引用回数:4 パーセンタイル:44.86(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合炉においてプラズマの位置制御を行うにあたって真空容器の外に制御コイルを設置することの可能性を検討した。主な結果は以下の通りである。(1)非円形度が2のプラズマは、プラズマ表面の近くに受動安定化構造物を必要とする。(2)非円形度が2のプラズマを外置コイルで制御する場合、通常状態のプラズマは制御可能であるが、劣化プラズマは制御不能となる。(3)真空容器のトーラス一周抵抗は、制御性にほとんど影響を与えない。(4)非円形度を1.6に下げると、外置コイルを用いて劣化状態のプラズマを制御することが可能となる。
D.A.Humphreys*; 芳野 隆治
JAERI-M 92-069, 25 Pages, 1992/05
JT-60U・トカマクは、非円形度として1.6~1.8のプラズマを生成するため、垂直位置不安定性現象が発生する。本論文は、JT-60Uプラズマの垂直位置不安定性に関する特性を実験シミュレーション計算の比較を行なうことにより明らかにしている。実験においては、フィードバック制御停止時の垂直位置挙動と、ベータポロイダルを高める時に発生する垂直位置不安定性を解析している。シミュレーション計算においては、プラズマをトロイダル軸対称コイル・ループ群のリジッドな集合体と仮定し、導体に対しては、コイル励磁試験結果を再現するように、設計値を微調したモデルを使用している。すなわち、水平磁場コイルに対し仮想受動コイルを加え、真空容器渦電流モデルを低次化している。得られたプラズマ導体モデルは、プラズマ垂直位置挙動をよく再現し、これを用いて、JT-60Uにて予想される最大のシャフラノフラムダの予測計算を行なった。
芳野 隆治; 西尾 敏; 新谷 吉郎*; 杉原 正芳
JAERI-M 91-049, 15 Pages, 1991/03
ITERにおけるプラズマ形状制御について評価している。まず、プラズマ形状制御アルゴリズムとして多変数非干渉制御法を提案するとともに、フィードバック・マトリックスゲインを導出する上で重要な、ポロイダル磁場コイル電流と制御変数の関係式を評価した。次に、着火直後の早い時期におけるプラズマ水平位置制御について検討を行い、1MA/sのプラズマ電流立上げを得るには、20kVのポロイダル磁場コイル電源と真空容器内設置をコイルにより、垂直磁場を立ち上げる必要のあることを示した。
笠井 雅夫*; 上田 孝寿*; 新倉 節夫*; 亀有 昭久*; 木村 豊秋; 近藤 育朗; 松崎 誼; 森 雅博; 辻村 誠一*; 常松 俊秀; et al.
JAERI-M 85-077, 203 Pages, 1985/07
本論文はIAEA INTOR Workshop、Phase Two A、Part2における日本のナショナルレポートの第V章Transient Electromagneticsをまとめたものである。プラズマ位置のフィードバック制御解析、ディスラプション時の電磁力、電場磁場の浸み込み、プラズマ位置制御およびディスラプション時の渦電流に関するベンチマーク解析等について述べられている。また、制御コイルの位置、シェル構造等のデザインガイドラインや、プラズマ位置形状制御の実験結果、シェル材、絶縁材の照射損傷Iこ関するデータベースについても述べられている。
横溝 英明
JAERI-M 84-077, 49 Pages, 1984/04
ダブレットIIIのプラズマ位置、及び、形状の制御システムを説明し、非円形プラズマの垂直位置安定性の実験結果を報告する。垂直位置不安定性の観測結果は、簡易モデルによる予測と定性的に比較し、又、より現実に近いモデルによる数値計算と定量的に比較された。実験結果は、理論予測と良い一致を示している。
上田 孝寿*; 西尾 敏; 藤沢 登; 杉原 正芳; 斉藤 誠次*; 宮本 健郎*
JAERI-M 82-213, 38 Pages, 1983/01
INTOR非円形プラズマの垂直位置安定化に要するシェル構成および制御について記述する。安定化において考慮される回路要素は、シェル構成、遮蔽体および制御コイルであり、実際の炉構成に比べて簡単化されている。速い不安定の抑制に対して十分なシェル効果を発揮する矩形コイル状シェルの新しい型が提案されている。それは、一連のシステマティックなシェル構成の研究から生まれた。このシェル構成は、プラズマに近接して配置されるが、トリチウム増殖率への影響は無視できる程度まで軽減できることが判った。モデル化された制御系は、外乱磁界、Bd(=B・[1-exp(-t/)](B:t=での磁界、:時定数)の下で研究されている。曲率指数(n-index)は、ポンプリミタ用に-1.0、ダイバータ用に-1.3、の2種類が選択されている。結果として、上記の制御系および条件の下では、良い特性が得られることが判った。また、その良好な制御条件下では、上記の2種類の曲率指数の相違は、制御電源容量において約2倍の相違となって現われることが判った。